一つには、見た目が感じがいい、ということだ。最も実利的な意味でのおしゃれと言える
この中では、清潔感、スタイルの良さ、健康的、などのウエイトが大きい
この意味では、もう極端に太っている人なんかはなかなか入りづらくなる。清潔感を重視して、かつ、健康的に太っている感じ(短パンできれいな肌を出すとか)をアピールする方向になる。印象としても、不健康さではなく、おおらかさに変換する作戦だ(そこで、お笑い芸人とかは、アロハに短パンのようなスタイルになる)。あとは日焼けなんかもうまく行くかもしれない。
清潔感については、あくまで「感」なので、髪質とか、肌の状態とか、ままならないことも含まれる。含まれるが、まあある程度は努力で追従できる部分もある。
スタイルについては、生まれついてのもので変えようがないが、どのあたりが望ましいかは決まっているので、そこに近づけるように努力することになる
これらの背景には、おそらく、生物的な背景があり、およそ万人が病的な人を避け、健康的な人を好むことになるため、基準は変化しづらい。また「無難さ」は明確に存在する
もう一つは、ファッションのヘビーユーザーである、という意味になる。趣味としてのファッションと言ってもいいし、ファッションのオタクと言ってもいい(私は他のいろんなもののオタクだからこれを否定していない)
この意味の背後では、たくさん服を買えばいい、という産業の論理が働く。だから、トレンドに敏感で、季節感に敏感で、その日の気分でさまざまなコーデを楽しむ、そういう人がお洒落である、または、特定ジャンルの流れに詳しく、マニアックなことまで知っている、そういう人がおしゃれということになる(スニーカーマニアとか)
ファッションYouTuberは、無意識か、意識的にかはわからないが、両方のおしゃれを混ぜて使うために「コスパ」という言葉を使う。モテ系のYouTuberは、だいたい前者で終わる(ので、ファッションの動画なんかはすぐ終わってしまう)
モテや無難さを求めてファッションYouTuberを見ていたら、いつの間にかたくさん、服を買ってしまった、そういうことになりがちである(それは楽しければ別にいいのだが)
この値段で誰でもスタイルがよく見えるので、コスパがいい、これは前者だ。
こんなにたくさん着回しができるからコスパいいですよ、というのは両方の意味を含んでいる
この値段でこんなに今風なシルエットが手に入るなんて!これは後者だ
ミニマリズムの観点から言えば、服が趣味でなければ、後者のおしゃれさは無用であり、コスパ服について、「パフォーマンス」の内実を、問いながら服を買うことになるだろう。
逆に、趣味の服は、いくらコスパが悪くても買って着たいなら買えばいいのだ。好きなんだから。そこには好きだ、という絶対の高パフォーマンスがあるから、コスパは良いのだ。